①自己分析・マインドセット
就活でやった人もいるかもしれませんが自己分析を改めてすることをお勧めします。
社会人になって実際に自分が投資信託や保険を売る仕事と定まったときにする自己分析はより実践的です。
なぜなら就活時はスキルや知識を抜きでの強みや弱みを判断しなければならなかったと思いますが社会人になれば実務に即した自己分析が可能だからです
「自分のマーケットへの知的好奇心は営業に活かせそうだな。」とか「自分の弱点はコミュニケーションのところだけど分析力はあるから心理学を勉強しようかな。」などといったようにです。
実際にはここまで単純ではないですが、自分がそう思えると自信になるので言語化してみるのが良いと思います。
この自己分析の結果を元に自分の中で営業をやる価値ということを分析してみましょう。
自分の強みを生かして成果を上げたいのか、弱みを補完しスキルを得て次のステップの準備にするのかといったように営業をやる意味を自分の中で設定することが重要です。
カリフォルニア州立大学の研究によると成果にだけに捉われるのではなく自分の中で興味や意味があることをすることがある人の方がただ意味も分からずやらされていることに比べて結果的に成績がよいことがわかっています。
自己分析は個人的には近い上司や親友と一緒に話しながら進めていくのが一番良いと思いますが、それが難しい場合この本を使ってみるのも非常に有効です。
あなたの長所や特性を5つ挙げてその解説をしてくれます。
私の場合ですと
- 指令性・・・強い存在感があり、状況の主導権を握り、決断を下す。
- 着想・・・新しいアイデアを考えるのが大好きで全く異なる現象に見えるもの間に関連性を見出すことができる。
- 学習欲・・・学習意欲が旺盛で、常に向上を望んでいて特に結果よりも学習すること自体に意義を見出す。
- 目標志向・・・目標を定め、その目標にに向かってまい進し、目標達成に必要な修正を行うことができる。優先順位をつけてから、そのとおりに行動します。
- 共感性・・・自分を他人の状況に置き換えて考えることにより、他人の感情を察することができる。
この5つが強みで内容を要約する以上のように表示されました。自分の中でなんとなく考えていた得意なことが言語化されることによって日々の業務の中で長所を活かせる部分を客観視し労力を費やすことできるようになります。
こうすることで自分の中で自分は得意なことをしていると考えることができるようになるのでモチベーションの維持に繋がります。
そのうえで自分が最終的にどんなスキルを得て何をしているかを逆算していきましょう。
例えば私でしたら最終的には超富裕層向けのプライベートバンカーになることを10年後の中間目標にしています。
プライベートバンカーに実際に必要なスキルや経験は正直はっきりとわかっているわけではありませんが、今やっていることの延長線上にあることはわかります。
お客さんが何をどうしたいのかを理解し、解決策を提供することです。例えば、
- 何かを買いたい=運用・節税・融資
- 税金を抑えて資産を守りたい=節税=保険・不動産
- 資金繰りをよくしたい=融資や節税
- 引っ越したい=融資・不動産
- 誰かにお金を渡したい・遺したい=生前贈与・相続対策=保険や決済、信託
- 資産管理の手間を省きたい=投信・保険・不動産・信託
まだまだ勉強中ではありますが、これらの顧客のニーズに適切な商品を実体験を交えて経験していくことがプライベートバンカーになるために私の今の営業をやる意義であると定義しています。
自分が何のために今必死になって電話や外回りをしているのかを最初に決めましょう。
自分にとって意味のないことをやらされているとモチベーションも生産性も下がります。
②身だしなみ
営業以前に社会人としての常識としての身だしなみは当然のごとく整えましょう。そのうえで一つ一つの小物に拘ることをお勧めします。
例えば、顧客の人生にとって少なからず影響を与える保険の契約の際にどこにでもあるようなボールペンを渡して書かせているような営業マンと綺麗でピカピカな万年筆を渡す営業マンではどこか営業に対する意識に違いがあるとは思いませんか?
この意識の差は、顧客や同僚などが自分と接した時にどう見られるのか?自分が接客されたときに注目するポイントがどこなのか?というのを客観視しているかです。
提案の質や熱意で勝負したいと考える方ももちろんいるかと思いますが、身だしなみや所持品一つに対してこだわりを持てないような営業マンの提案や熱意はお客様に届くことはないと思います。
私が入社してすぐに上司とプルデンシャル生命のトップセールスのお話を聞いて購入したボールペンと同じ種類のものがこちらになります。
このペンをお客様に使って契約してもらいたいという気持ちを込めて買ったことをよく覚えています。富裕層のお客様は特にそのような細やかな部分への気の使い方をしっかりと見ていることが多いです。
③挨拶・言葉使い
挨拶や言葉使いは非常に大事です。富裕層のお客様になればなるほど多くの営業マンがアプローチをしていますので、挨拶と言葉使いでその競争から落ちてしまうのはばかばかしいですよね。
また自分が営業に集中する上でサポートしてくれる承認者や上司や先輩との関係を気づく上でもこれらは需要なことです。
敬語に関してはそういう言語なんだと思って単純に染みつかせていきましょう。
挨拶に関しては特に何か意外性や印象に残るようなことをしろと言っているのではなく、はきはきと気持ちよくすることだけすれば大丈夫です。
変な話ではありますが、富裕層の方は高齢の方が多くその人たちの口癖は「今の若者は・・・。」だったりしますので挨拶が気持ちよく刺さるだけでも話を聞いてやるかとなることもあるようです。
実際に僕もお客様から投信の契約後に「あんまり若々しい挨拶と話し方だったから話を聞いてみたんだよ。
そしたら提案も悪くなくてよく練られていて気持ちよく投資できたよ。」というお言葉を受け取ったことがあります。
挨拶が商談のその後を左右することが実際にあることを知って、挨拶を最も気を付けてお客様と接するようにしています。
よりテクニカル的には会話のテンポを作るためにわざと挨拶の後に間を作ることもあります。
例えば、おはようございますの後にお客様から挨拶を返してもらうまではこちらの名前を名乗らないようにして言葉のキャッチボールを開始して話を引き出していくといったような使い方もできます。
④人として当たり前のこと
これを言われて耳の痛い人は多いのではないでしょうか。
提出物の期限や時間を守るといった銀行以外でも当然のことであったり、銀行ならではの法令に縛られて作成されたであろう細かな社内プロセスを順守するといったことをこなしていくということが重要です。
これが当たり前にできると何がメリットかというとこれ以降のプロセスのみに集中することができる点です。
提出物の遅れや社内プロセスがあいまいであるなどの余計な不安やストレスは提案内容のアイデアの組成を邪魔したり、営業の活動量の増大にとって悪影響を及ぼす可能性があります。
より具体的には以下の点を押さえておけば最低限は問題ないと思います。逆にこれができていないと営業どころか仕事ができません。
- 報・連・相
- 時間を守る
- 人に聞く前にマニュアルやネットで調べる
報連相に関しては、個人的なイメージだと上司に報告することによって自分だけの責任から上司の管理責任にすることができるのでやった方がいいと思います。
特に金融の営業では一つ間違えば法令違反になることが大量にあります。そこをリスクヘッジする意味でも必ず上司に相談しましょう。
⑤ビジネスモデルの理解
なぜビジネスモデルの理解が必要かというと自分の営業活動が顧客と会社と自分にとってどのように利益を生み出しているのかを理解するためです。
営業をする上で自分の販売した商品が何の役に立っているのかを理解しないで営業をしているとどうしてもやらされている感が出てしまいます。
子供のころを思い出していただければ、やらされるだけの夏休み宿題はなかなかやる気がなかったのではないですか?
この理解はモチベーションのためだけではなくても必要です。もし仮に自分の会社の業績が悪くなったとしてもビジネスモデルが理解できていなければ何が問題なのか?転職するべきなのか?がわからないからです。
自分のキャリアにとっても必要なことなので必ず深く理解しましょう。
銀行の基本収益モデルは
銀行の収益=運用益や貸出金利や信託報酬ー顧客に提供する金利ー経費
です。細かな内容に関してはいずれ記事にします。
⑥社内・支店内の人間関係の構築
社内の人間関係の構築は必須です。基本的には全員と仲良くするべきではありますが、金融の営業において構築するべき本当に人間関係を抽出すると、4つだと思います。
- 難しい案件相談やど詰めしてくれる上司
- 承認手続きが迅速かつ正確な承認者
- 年次の近い先輩
- 女性の行員
①に関しては自分の営業としてのキャリアにとってかなり大きな影響を受けることになるので必ずしっかりとした関係を築きましょう。
小さな期待値をしっかり超えたり、飲みに自分から誘ってスキルや考え方を盗み取ったりすることで少しずつ構築していくのが良いと思います。
上司はもがきながら自分で考えて向かってくる人が好きなことが多いです。
②に関しては、業務を円滑で行うために必要です。自分が作ってきた案件を承認者がミスを見逃して業務上の事故になったりすることもあります。
承認者も人間なのでミスは置きますがどの承認者と組むかを選び良好な関係を築くことで自分の身を守ることに繋がります。
③に関しては、身近なロールモデルとしてもそうですし友人としてライバルとして自分の励みになる存在であると思います。
一つ上の世代に数字で迫ろうという気概が原動力になる可能性もありますし、逆に自分はこうなりたくないといった半面教師としての存在になる可能性もあります。
④に関してですが、これはかなり私の個人的な意見が反映されています。女性の行員の情報網や個人に対する評価というのは非常に大きいです。
気に入っていただけると、会社の情報が入ってきたりとストレスなく業務に集中できます。逆に嫌われたときは、どうなるかお分かりですよね?
⑦社内プロセスの理解
金融における営業をする上でどうしてもついて回るのが金商法です。法令に違反すると金融庁への報告を求められ、一生営業に戻ってこれない可能性もあります。
それから身を守るという意味でも社内のプロセスは必ず遵守しましょう。
例えば保険の勧誘ひとつ取っても顧客の同意が取れていなかったや目論見書と呼ばれる法定書面を渡さずに投資信託を販売してしまったなどは一発でアウトです。
銀行の社内プロセスは煩雑なことが多いです。
逆説的にはなりますが、慣れるくらいまでプロセスに沿わなければならない案件を大量に作ることが社内プロセスを理解する最短の道です。
⑧数値目標の分析
営業をする上で数字は当然求められてきます。
新規資金の導入額や保険や投資信託の販売収益等が月や年単位で求められてきます。
この数字を分析し、達成までの道のりを考えてからでないとがむしゃらに電話や外回りをしても意味がなくなっています。
収益目標=投信+保険+ローン+・・・
このように収益目標を達成するためにどの運用商品ならいくら分販売しなければならないのかを逆算します。
収益換算率の高く販売が難しい商品を厳選して販売するのか、収益換算率が低くとも販売が容易な商品の回転数を高めていくのかといったようにご自身に会った戦略を練っていく必要があります。
それによっては顧客に対するアプローチの方法も当然変化していきます。大口を狙おうと考えた場合顧客の行動パターンや年齢、属性を入念に調べ上げたうえで確度の高い仮説をぶつける必要があります。
一方で、販売が簡単なものであればひたすらアプローチ数を増やすために自分の回転数を増やすために効率化を図っていかなければなりません。
数字を因数分解して、自分のアクションプランにまで落とし込むことが重要です。
このように数字等を因数分解するためのフレームワークや考え方をわかりやすく紹介している本を参考までにご案内させていただきます。
就職活動をしたときに読んだ本でいまだに考え方や戦略を立てるときに参考になっている本です。コンサル等を志望されていた方にはなじみ深いのではないでしょうか。
⑨顧客分析
顧客分析はまず自分の所属している支店や支社の抱える顧客がどのような属性の方が多いのかを分析します。その切り口としては
- 名前
- 性別
- 年齢
- 職業
- 住所
- 家族構成
- 預金や運用残高、ローン残債
- 運用経験
- 国籍
- 入出金履歴(給与額や利用頻度、送金先)
- 過去の顧客との取引履歴(発言や意向等)
これらのほかにも皆さまがお勤めの金融機関によっては、通帳のオンライン化やクレジットカード申込など様々な情報を集めることができると思います。
上の部分をしっかりと確認するだけでも、顧客がどのようなニーズを抱えているのかや顧客の普段の生活や性格を推察することができます。
名前も検索してみると意外と有名人だったりSNSをやっていたりと多くの情報を得ることができます。
これらから、いつ連絡を取ってみるべきか、どのような口調で話すのか、知識レベルはどの程度で話すべきか、いかなる提案をぶつけてみるべきなのかなど仮説が思い浮かぶと思います。
実際は話してみなければわからないことがたくさんあるかと思いますが最低限調べられることは予め調べてから行動に顧客と対峙するようにしましょう。
⑩アプローチ先選定
以上の分析からアプローチ先の選定をしていきます。
①の自己分析と⑧の数値目標の分解から今のタイミングならどの商品を売りたいのかを決めます。
その商品によって解決できる顧客の課題の仮説を構築します。
その課題を抱えていそうな顧客を⑨で行った顧客分析の結果から抽出し、アプローチ先リストを作成します。
具体的には、
- 自分強みは行動力とマーケットへの知識である
- 強みを生かして、投資信託や外貨預金を販売していきたい
- 投資信託や外貨預金では老後資金の準備や低金利下での利回りの改善ができる
- 独身の40~50代女性や動きのない大口円定期預金のみを持っている顧客
- 強みが税制への知識
- 相続税対策のために贈与や非課税枠利用目的の保険販売したい
- 保険を活用すれば相続の際の税金や分割の家族間の争いを無くせる
- 過去に節税目的と思われる不動産購入の送金をしている顧客かつ高齢者
他にも多くの顧客を想定することができると思います。
個人的な研鑽もかねて、仮説のまとめの記事を今後書いていきたいと思います。
⑪アプローチ方法選定
アプローチ先の選定を終えた後はいかに顧客に対してアプローチしていくかが重要になります。
ここでは⑩で行った顧客とどのようにコンタクトを取ればよいのかを考えます。
例えば先ほどの例の中の40~50代女性であれば日中は働いている可能性が高いので、ランチタイムに電話を入れてみたり、仕事が終わったころにメールを入れてみるなどが考えられます。
相手に認識してもらえる確率が高い方法を顧客分析とその結果から相手の行動を推察して適切な方法を選択しましょう。
そのあとに直筆の手紙を送ってみるなども一つの手です。
複数回別の手法からアプローチされた後に、電話がつながった場合認知度が上がっているので自分の話を聞いてもらえる可能性が高まります。
直筆の手紙だと、野村證券の巻紙が有名ですね。
野村證券の営業に関しては個人の金融商品の営業に携わるのであれば一度は本などで読んでみるといいかもしれません。
個人的なおすすめはこの2冊です。野村證券の営業への熱量と研鑽された手法の一旦が垣間見えます。
⑫顧客への提案機会の創出
顧客へのコンタクトが取れたとしてもそこから提案に至るためには顧客の生の情報を得る機会を創出することとは大きな隔たりがあります。
ここを埋める術を埋めるのが営業員それぞれのアイデアです。自分のアイデアで仕事ができることが営業の面白いところです。
営業力で有名なプルデンシャル生命の営業員の伝説を聞いたことがあります。
- ある社長が無類のそば好きであることをリサーチ(紹介者より)
- 美味しいそば屋があるのでと1時間だけ時間をもらう
- ヘリコプターで山奥のそばの名店に連れていく
- ヘリの行き帰りでヒアリングと提案をする
- そばを食べる
- 帰りでほぼ成約
- 後日法人向けの超大口保険契約の成約
正直この話は尾ひれがついている可能性がありますが、この話から機会を創出するための方法は自分自身の行動とアイデアによるものであることを理解することが重要です。
ここで面白くないと思えば、ずっと営業をするのは正直向いていないと思うので転職か配置換えを求めたほうがいいかもしれません。
ヘリコプターでそば屋が無理だとしても、キャンペーンや口座にブロックがかかっているなど、顧客に分かりやすくメリットがある話やどうしても来店などの行動を起こさなければならないような話をぶつけていくことがリアルなアイデアではあると思います。
⑬顧客の認知を得る
提案を聞いてもらう前に自分のことをお客様に知ってもらうことが信頼関係を形成するために必要です。
このための方法もアイデア次第ではありますが、⑪のアプローチ方法の中でどうやって顧客の印象に残るようにするのかを考えます。
手紙やメールの文面が気を引くのか、電話の自己紹介で印象をよくするのか。誕生日を狙って手紙を送ってみるのか。コロナなのでマスクを添えて手紙を送るのか。
やり方はたくさんあります。
マーケティング用語でいうAIDMA(アイドマ)のA認知・注意(Attention)にあたります。
この後のプロセスでこのAIDMA(アイドマ)のどこにあたるのかをがわかれば、営業の全体図がより深く理解できると思います。
これはアメリカ人のサミュエル・ローランド・ホールという販売と広告実務の研究者が提唱した消費者の心理プロセスのことを言います。
- A…認知・注意(Attention)
- I…興味・関心(Interest)
- D…欲求(Desire)
- M…記憶(Memory)
- A…行動(Action)
⑭複数回の認知を得ながら有益なことを提供する
認知を得る中で心理学を用いるとうまくいくケースがあるといいます。
ここでは2つ紹介します。
- ザイアンス効果(単純接触効果)
- 返報性の法則
ザイアンス効果とは接触回数が増えれば増えるほど相手への信頼や好意が増えていくというものです。
もちろんしつこいくらいの電話はNGですが、例えば相場の変動時に毎回電話するなど電話する理由を明確にすることで顧客は自分のために電話してくれていると考えてもらえるわけです。
相手に不快感を与えないように単純接触回数を増やしていくことが重要です。
返報性の法則とは、何かをもらったら、もらった相手に何かを返さないといけないという心理になることです。
これを実践に落とし込むならば、我々が提供できるのは主には知恵です。一部記念品のようなものもありますが。
節税対策やマーケットに応じた投資対象、キャンペーンなどなど相手にとってメリットになるような情報をまずはたくさん与えていきましょう。
そうすると顧客は顧客自体の考えや思い、自分の情報といった形で返してくるようになります。
⑮信頼を獲得し、顧客の人となりや背景の情報を得る
ここが最重要ポイントです。
単純接触回数を増やし、メリットを与え続ける中で信頼を徐々に構築していきます。
その中でこちらからも意図的に情報を取りに行きましょう。取りに行きたい情報の例としては
- 資産背景(不動産・株・債券・投信)
- 口座にある資金の位置づけ(余裕資金か使用目的決定済みか)
- 家族構成や家族への想い
- 老後資金の準備
- 万が一の備えの有無
- 他の金融機関との取引
- 運用の経験や知識
- ライフプランや人生観
このときに一番意識してほしいのことがあります。
- 相手に会話の50%以上を話させることが重要です。
相手に話してもらいつつ、情報を得るための道筋を考えていかなければなりません。直接的に聞くのではなく、周辺の質問から埋めていきます。質問を仕方を工夫する必要があります。
質問の仕方に関してもいくつかのテクニックがあります。
- ディープニング
- ダブルバインドと前提ずらし
- オープンとクローズドの使いわけ
- コールドリーディング
①ディープニングは、相手の発言をより深堀して質問をしていくことです。一つ質問をして帰ってきた答えに対して、その回答の中から質問をしていくというものです。
この手法のゴールの質問に、先ほどあげた得たい情報を設定してい、そこに向かって逆算して深堀していきましょう。
②ダブルバインドと前提ずらしに関しては、話す・話さないの選択肢ではなく何の話をするのかを2択にすり替えて質問をしてみることです。
先ほどの深堀の際に使えテクニックで「相手になんでそんなこと教えないといけないの?」と考えさせないように使える方法です。
自分の頭で考えて言葉を生成するより選んだ方が相手の脳を使わせなくて済むからです。
③オープンとクローズドの使いわけは具体的に顧客に話してもらう箇所とYESorNOなどの少ない選択肢を提示して答えてもらう方法です。
質問と回答の回数が増えれば増えるほど相手は饒舌になっていきます。
そのころから少しずつ相手の頭を使わせて、具体的な内容を質問してきます。これれはオープンな質問で、ところどころ休憩の意味でクローズドの質問を混ぜていきましょう。
④コールドリーディングに関しては、仮説を立ててもしかしてOOではないですか?と質問し、相手から「なんでわかったの?」を引き出し親近感と情報を得る方法です。
占いなどで相手の表情・言動・風貌から経験則で当てはまりそうな指摘をすることなどもコールドリーディングの一部にあたります。
笑い話ではありますが私自身これを体感するために電話占いというサービスを体験し、どこを観察されているのかを研究したこともあります。
セールスのスキル目的で占いに申込だことは割と職場で話せるネタになりました。
参考までに
LINE占い
より細かなテクニックですが、大きな効果を得るのが
- 間の使い方
です。
例えば
- 自分から話すのでは無く、相手から話すのを待つ
- 質問を投げかけてから、相手が考える時間をしっかり与える
- 相槌やリアクションの間を与える
- 相手が言った言葉を
この4つは今後の顧客との折衝のタイミングですべて活用できますが、経験値がかなり必要な技術ですのでうまく意識的に何度も使ってみてください。
⑯顧客の課題の仮説と解決案を作成する
この章が一番簡単です。そこまで書くことがありません。
顧客の意向、課題と背景が出そろっていれば、解決策はいくらでも作成することができます。ターゲットも⑩アプローチ先選定である程度絞れています。
支店や支社にはその解決策を沢山持っている上司や専門家や先輩がいるはずです。ここで⑥の社内の人間関係をしっかりと構築できているかが関係してくるわけです。
そのような方々を巻き込んでより良い提案を作成し、それをどうやって伝えるのが顧客の性格や好みに合っているかを考えていくのかこのフェーズです。
このときにはできるだけ紙などに書き出して自由に考えてみることをお勧めしています。
⑰市場から仮説と解決案の確度が高そうなのかを検証する
この仮説を立てたうえで、検証しなければならないのが市場の情勢です。
我々は金融機関で解決策を提供しているので、その商品は金融商品が多く金融市場の影響ををどうしても強く受けることになります。
日々の勉強やお勤めの金融機関のアナリストの意見などを元に顧客に安心してもらえるように分析をしていきましょう。
日々のマーケットの勉強方法に関しては別の記事にまとめさせていただいています。
⑱顧客に対して仮説の課題をぶつけてみて反応をうかがう
⑰で検証した結果解決策が妥当であると判断した場合、次のステップは顧客への提案です。
ここの伝え方を間違えると顧客は提案を受け入れてもらえる確率が下がります。
ここで意識しなければならないのは、顧客の理解度を焦らずに少しずつ上げていくことです。伝えるステップを細分化して、どこまで顧客が理解できているのかを明確に把握しましょう。
また伝えるステップを細分化すると顧客が提案が気に入らない場合どこがネックになっていたのかを洗い出しをすることができます。
この提案の際も⑮のフェーズで意識した話法を使っていきます。またこれ以外にも提案を受け入れてもらいやすくする話法があります。
- イエスXXX法
- ドア・イン・ザ・フェイス
- フット・イン・ザ・ドア
①の話法に関しては、数パターンあります。まず相手の反論などに対して、「おっしゃる通りでございます。」「その通りです。」と一度返します。
そのあとで「実は」「例えば」「しかし」と言って反論すると、一度冷静に受け入れた言葉に対する論理的な回答に聞こえるので顧客心理的には完全に突っぱねるのではなく改めて再考をしてもらう機会を与えることができます。
②の話法に関しては、まず相手に対して過剰な要求をした後に、本命の提案をするという方法です。但しここでいう過剰な提案が法外な提案だと完全に信頼を失うのでお気を付けください。
③の話法に関しては、②の逆で小さな要求を少しずつ細かく承認してもらうと、顧客が大きな要求を飲むようになるという話法です。
これは信頼関係を築いていくうえで重要なプロセスでもあるので普段の日常生活からも意識して使ってみると良いと思います。
⑲反応から課題の仮説を作成・修正する
先ほどのプロセスの中で顧客から断られる可能性もあります。
⑱でもお話ししたようにどこで段階で断られたのかを分析して、次の提案を作成するか、修正する必要があります。
私自身、上司に「お客さんに5回提案して断れろ。」と言われていました。
その真意は断られる=他の解決策に絞れるという思考に変えることです。
この修正の際に、言われたことだけを修正や変更をするだけでなく、予測を加えて相手の期待値を超えていくことが重要です。
5回断られるうちにより、強くクリエイティビティに満ちた提案になるようにしましょう。
⑳具体的な商品を用いた提案を行う(重要)
個人的には一番大事な個所です。
ここまでは具体的な商品の話をなるべくしないようにします。
なぜなら私たち営業の本来の仕事は商品を売ることではなく、顧客の課題を解決することだからです。
顧客の課題とそれに対する顧客が納得できる解決策が提示できたのであれば、そのあとに商品を選ぶだけで済むからです。
最初から商品をぶつけて売れるならそれはネットで顧客が調べて買うだけなので人間でなくてもできる仕事です。
顧客ですら気が付いていない課題に対して価値を提供しなければただのロボットです。
私たちはおいしい魚を教えるのではく、この魚はこの料理にすると絶品だから一緒に食べようというのが仕事です。
顧客の課題に合った商品や商品の使い方を勉強するのが商材の研究です。
商品の内容をすべて勉強してから営業をするのも大事ですが本当に大切なのはお客様の課題や意思をしっかりと拾えるかです。
商品や解決策がわからなかった時のために専門部署や運用会社の法人担当、上司、先輩がいるのです。
㉑細かな内容を修正しクロージングする
最終の調整の部分です。
契約の日程・場所、金額等の詳細やひつような書類やシステムの準備などスムーズなクロージングをしてお客様に不快に思い心代わりのしないようにしなければなりません。
アポの前日の準備がすべてを決めます。
最後の詰めが甘いと「それ聞いてなった。契約やめる。」
と言い出すお客様もいらっしゃるかもしれません。
最後の最後まで気を抜かぬようにしましょう。
㉓契約後アフターフォローと顧客紹介をお願いしてみる
晴れて契約していただいた後、それで終わりにするのではなくここからが一番大事になります。
運用商品であれば相場の変動をしっかりとフォローして利益確定や損切りの手伝いをしましょう。
保険商品あら保険料の引き落としや満期の管理をしてあげましょう。
なぜこのようなことをするのかというと狙いは3点あります。
- 新規資金導入
- 回転売買
- 新規の顧客紹介
①に関しては、自分の提案に満足してもらいお客様からもっと資産の運用を任したいといってもらえるようにすることです。
そのために最初の提案から徐々に他社や他行で運用中の資産に関しても相談や提案を誠実に続けていくことが需要です。
顧客の資産全体のポートフォリオを管理・運用して差し上げるという意識があれば自然と顧客は資金を持って来てくれます。
②に関しては、マーケットに合わせて利益確定と損切りをしながら他の商品に乗り換えていくことを言います。
過度な回転は顧客としても手数料ばかり引かれてしまうということがあるので法令や社内のコンプライアンス上もよろしくないので、いい塩梅で行うようにしましょう。
メリットそしては、同じ資金で手数料を何度も得ることができることです。
③は新規開拓の究極系ともいうことができます。
顧客の紹介の場合、新規の顧客との関係の構築も簡単ですし、相手のニーズも会う前からある程度知ることができます。
顧客同士の関係もありますから何も取引にならないというようなことはあまりないです。
顧客紹介で開拓している会社で有名なところと言えばプルデンシャル生命が有名です。
実際に自分もプルデンシャル生命の方とはお付き合いもあって話したこともありますし、本でも営業のスタイルを勉強したこともあります。
ちなみにこちらの本です。
㉔ ⑨・⑫・⑮に戻り時間や労力配分を修正し繰り返す
ここまでが営業の一連の流れです。
これを無駄をなくし、バラエティを増やしながら高速で回していくと気が付いたころにはトップセールスになっていることでしょう。
普段何気なくやっていることを言語化・因数分解して改善を続けているといつの間にか営業ができるようになっていくことでしょう。
3.まとめ
現状では24個のステップでまとめていますが、実務をしていると「このステップの中でも細分化できる部分がたくさんあるな。」と思う箇所がたくさんあるので少しずつ各章の因数分解や具体例の載った記事を増やしていきたいと思います。
とても長い記事になってしまいましたが読んでいただきまして誠にありがとうございました。
もっといいアイデアやステップの分け方等ございましたらTwitterのDMなどいただけますと幸いです・