目次
結論
- 金融機関に就職する
- トップ営業マンになり続ける
- 金融資産・不動産・節税・レバレッジを活用できるようになる
- 転職しても付いてくるかつ紹介をしてくれるお客様を最低1億ドル分集める
- 国内日系・外資系PB→海外PB→ファミリーオフィスの順で転職するのが理想
金融機関に就職する
金融機関に就職することがプライベートバンカーになるためには最速の道です。
その理由は主に専門的な知識とターゲット顧客がいることにあります。
金融機関に就職する価値
金融機関に就職する価値というのは個人的には二つあると思います。
金融機関に就職することでほぼ毎日金融関連知識とそれを活かした営業方法を考え続けることができるので最高の学びの場であると考えられます。
また長きにわたり富裕層を追い続けているのですでに富裕層を囲い込んでいるのでその層を金融機関の顧客から自分の顧客にすることが容易にできるのです。
PBでずっと食べていくためには金融機関ではなく自分についてくる顧客を作らなければなりません。
なので先輩PBが定年退職や辞職をした際に顧客を取ることができるため金融機関にまず就職することをお勧めします。
転職して入っても良い
転職して金融機関に行くのも実はいいのではないかと考えています。
他の業界で経営者や医者、地主などの強固なコネクションがあればその顧客の資産を運用できるのであれば金融機関もあなたを採用するでしょう。
ネックになることとしては商材である金融商品やスキーム、不動産・節税などの知識の体験的な知識を持てないことにあります。
若いうちにかなりの富裕層を囲い、金融機関に就職するのがベターでしょう。
まさにプルデンシャル生命のスカウトのように特定の業界やマーケットでのコネクションのある営業をヘッドハンティングしていることを逆手に取り、売り込みに行くことができるでしょう。
トップ営業マンになり続ける
売れない人はPBにはなれません。
リテール・マス富裕層を満足させられない人材にPBの顧客の高水準の要求に答えられるわけがありませんし、社内でポストを与えられることはありません。
絶対にです。支店レベルではないくらい顧客の奪い合いをするのがPBです。
競争を勝ち抜き、知識と経験と感覚に抜きんでた人間のみがPBになれるのです。
故にトップを目指し続ければ、PBへの距離は近づいていきます。
求められる営業のスキルは、新規開拓力と紹介獲得力です。適切な提案をするのはもちろん必要ですが大きなウェイトを占めるのは営業のスキルです。
これに関しては学ぶのに適切な本があるので別記事で紹介します。
金融資産・不動産・節税・レバレッジの活用
PBの用いるスキームで特徴的なのはレバレッジが大きく掛かった運用と保障を活用し、資産を大きく増やしたり、相続対策のために海外の税制、不動産や信託の節税スキームの構築などを上げることができます。
以下の4つを顧客のBSとPLを外部環境と顧客の希望に合わせてカスタマイズしていきます。
そのための基礎がリテールやマス富裕層向けの営業でも鍛えることができます。
金融資産
金融資産での運用は銀行であれば、投信・外貨・仕組み預金・債券などがあげられます。
個別株や仕組債などのバリエーションは証券に劣りますが、基本はこれらでカバーできます。
仕組み預金(デュアルカレンシーデポジット)にレバレッジを掛けた運用などは国内外のPBにおける王道の運用方法ですので、必ずマスターしましょう。
ハイイールド債やAT1債などの運用方法なども今の富裕層には人気の投資対象です。
そのほか株や債券などの特性をマーケットに合わせて理解し、ポートフォリオ構築の力をつけていきましょう。
不動産
不動産は運用にも節税にも使える便利な資産ですので、必ず覚えましょう。
世界の投資家はポートフォリオに必ず不動産が入っています。
宅建を取るところから基礎を始めて、不動産現物やREITといった運用や不動産の受託獲得など具体的な商品やスキームまで学んでいきましょう。
物件の甲乙に関しては、その道のプロとのコネクションを作ることで解消できるように普段のビジネス仲間を集めておくことが重要です。
節税
富裕層であればあるほど税金にはとても敏感です。
国内の税制を踏まえた上で、保険・不動産・信託、国外移住など税制そのものを変えるというスキームなど国際税務に関する知識も付けましょう。
大枠だけしっかりと理解して、税理士や会計士などのプロ人材と連携して適切なスキーム作成をできるようになりましょう。
海外に5年間移住してレバレッジを掛けた保険で死亡時に100億円などの莫大な財産を非課税で次世代に引き渡していくというスキームがあったりします。
レバレッジ
ここまで何度かレバレッジに関して言及していますがこれは要するに融資を活用して、保険料や運用に充てていくことを意味しています。
日本国内ではレバレッジに対しては規制が大きくなかなか活用することができませんが、海外ではそのような制限がないのでレバレッジを掛けたスキームは一般的です。
世界基準のバンカーになるためにはこのレバレッジを理解し、使いこなせるようになる必要があります。
この練習としては不動産や証券担保ローンなどが該当します。
1億ドル分の預かりと顧客を集める
PBは金融機関の看板で商売をするのではなく、あなた自身についてくる顧客で飯を食うものであると考えなければ強いバンカーになることが決してありません。
プライベートバンカーの実情
プライベートバンクにおける収益は日本の金融機関とは異なり、預かりの資産に対してカストディアンフィー(口座管理料)を一定の割合(1%等)を貰う仕組みになっています。
なのでプライベートバンクはバンカーにできるだけ多くの預かりを獲得することを要求します。
外資系PBは日系で顧客のついているバンカーを顧客ごと引き抜き、そのバンカーが辞める時には全力で顧客と資産を引き留め、バンカーから顧客を奪い去るような世界です。
したがって、プライベートバンカーとして生きていきたい場合は真に繋がりがある顧客と資産を持っていることが条件です。
最低ライン
外資系のプライベートバンクの場合、1年以内に1億ドル集めなければ首にするなどはよく聞く話といいます。
したがって1億ドル=100億円分の顧客が自分についていることがプライベートバンカーとしての最低限であると言えます。
100億円で1%が収益だとしても1億円の収益で、これが会社に入った後に金融機関に天引きされ残りがバンカーの年俸やボーナスになるのです。
預かりが多ければそれだけ多くの見返りを得ることができます。
PBの階層
PBのレベルは以下の順になっていると言えます。待遇面でもこれに等しいと考えられます。
日系PB
日本の銀行や証券のリテール最高峰がPBと名乗っているケースが多いです。
銀行であれば預金系の商品、証券であれば仕組債系の商品が多いと聞きます。
日系の金融機関らしく日本のオーナー社長などが顧客に多くいることが特徴で、PBとして転職してステップアップするのであればここで顧客を掴んで次へ行くのがリアルな線であると言えます。
最近では顧客の引き抜きは訴訟になるケースもあり、退職時に給料3か月分を払う代わりに顧客への接触を禁止する契約を結ぶこともあるようです。
外資系PB(国内)
日系のPB顧客を引っこ抜いていく先が国内の外資系PBです。
日本ではクレディスイス・UBSなどスイス系の金融機関のみが残っています。
世界的に規模の大きな金融機関で独自の商品やマーケット情報など提供されます。
バンカー目線でいうと日系企業よりも実力主義で売れないバンカーのための席は存在しない世界がここから始まります。
商品は日本の金商法の規制を受けますのでレバレッジは活用できないです。
海外PB(シンガポール)
アジアのニューマネー(新富裕層)に人気なのがシンガポールです。
相続税やキャピタルゲインに対する税金も存在せず、レバレッジを掛けた運用も禁止されていないので、富裕層とカネが集まってきています。
国内にいた富裕層を国ごと引っこ抜いていくことができ、より高度な提案の組成ができるバンカーのみが行くことのできる世界です。
海外PB(スイス)
PBの起源とのスイスはいまだに世界の富裕層に資産を守っています。
ここでは主にオールドマネーと呼ばれる世襲型富裕層が多いと聞きます。
欧米の名家や企業オーナーたちの資産を守り増やしています。
スイスの銀行は秘匿性が強く、来訪時には誰にも会わないような工夫すらされているそうです。
日本人のバンカーが歴史ある名家を開拓するのは極めて難しいでしょうから活躍するにはニューマネーの富裕層を育てるか先代のバンカーが引退するのを待つ必要があります。
ファミリーオフィス
ファミリーオフィスとは一つの富裕層一族に専属のPBのことを意味します。
イメージは今はやりのIFAのPB版ということで、世界にあるPBの商品・サービスを組み合わせながら顧客にベストな提案をしていくことが仕事です。
多くの金融機関とのコネクションと商品知識が要求されます。
最近ではアルケゴスの問題で、世の中に話題を提供しました。
まとめ
プライベートバンカーになるためのステップを大まかに説明しましたが、ネットで調べて出てくるような資格を勉強しただけでなれるような世界ではなく顧客の争奪戦を制した金融営業の王たちのことをPBと呼ぶと理解した方がいいです。
営業を頑張ろうと思っている人はこれが頂点であることを認識し近づけるようにしていくと自然に営業成績が上がると思います。
中盤で紹介した本は本当に役に立った本ですので是非ご一読ください。