個人金融営業

【体験段】証券マンの新規開拓先逝去からの逆転成約

目次

要旨

結果

  • 株式移管(1,000万円)
  • 投資信託2000万円
  • 初めて新規開拓したお客様がお亡くなりになり、その後相続した娘様が取引をしていただき成約

顧客属性

【初めて開拓したお客様】

  • 男性
  • 74歳
  • 定年まで証券会社勤務、定年後個人投資家 娘様がいる(40歳前半)

【相続した娘様】

  • 女性
  • 40歳前半
  • 会社員

面談までの経緯

新規開拓の訪問営業(個人宅へ1件1件ピンポン)

ピンポンを押して出てこない時は、ポストに名刺や手紙、会社のロゴ入りポケットティッシュを入れて覚えてもらうように工夫、また手紙には個別株の情報を記載する富裕層がなど富裕層が住んでいる地域で、競合他社が多いため差別化を図ったとのことでした。

ピンポンを押して反応があった際

顧客「他社で口座を持っているから必要ないよ」

私 「かしこまりました。私新卒でこちらの地域を担当しておりますのでご挨拶も兼ねて名刺だけでも直接お渡しさせてください。お客様の方がお詳しいと思いますが、私がお渡しできる情報も一緒に提供いたします。」

玄関に出てきてくれた際

顧客「毎回ポケットティッシュや手紙を入れていたね。手紙見たよ。」

私 「ありがとうございます。中長期で保有する目的で業績が良いおすすめの企業をピックアップして記載しました。」

顧客「しっかり企業分析も出来ているね。私も昔証券会社で働いていたよ」

私 「ありがとうございます。そうなんですね。いろいろと話聞かせてください。」

顧客「また今度来なさい。その時に話そう」

私 「ありがとうございます。〇〇日にまたこちらの地域を訪問しますのでその際にお伺いします」

顧客の事前情報や提案の仮説

富裕層の方が多く住んでいる地域だったため、該当顧客もある程度資産を持っていると仮設を立てました。

またご自宅に止まってある車がトヨタのクラウンで国産高級車も保有しているため、生活水準は比較的に高いのではないかと考えました。

自宅のピンポンを押して、他社で既に取引をしているとのことから投資に関してのハードルは低いと想定しました。

また証券会社で勤務していたこともあり知識は豊富だと仮定して、こちらが知識がまだ曖昧だという立場で折衝を行い、顧客に喋らせることを意識して、気分を上げるようと考えました。

その流れでこちらの証券会社にも口座を開設してもらい、株式の購入や株式移管を提案しようと想定しました。

顧客から信頼を得たポイント

お客様が心を開いた理由の自己分析は、商品の提案を極力せず、顧客が今なにを望んでいるのか(投資の話なのか、ただの世間話なのか)を読み取り、安心感を与えるまで営業する雰囲気を出さないことが心を開いた理由だと分析しました。

顧客「他社の担当者は毎回買ってください、売ってくださいだけを伝えてきて用が済んだら帰ってしまうんだ」

私 「そうなんですね。投資の情報はお客様ご自身で収集しているんですか?」

顧客「そうだよ。PCや日経新聞を毎日見ているからね」

私 「証券会社に勤めていたとおっしゃっておりましたもんね」

顧客「昔はあなたみたいに飛び込み営業をしていたよ」

私 「証券会社の営業は今も昔も変わりないですね」

顧客「昔はお茶くみからスタートして営業になって支店長まで登りつめたんだよ」

私 「それはすごいですね。ぜひ投資のこと私に教えてください」

顧客へのヒアリング内容

他社で4000万円前後運用している。

投資についての知識は、既にあるので取引をするなら世間話の相手にもなってほしい。

投資信託を買いたいが、他社の担当者は株式ばかり進めてくる。

それである程度利益が出ているので、担当者の言うことに身を任せているが、個人的は毎日取引するより投資信託の組み入れ銘柄を見て、良い組み入れ銘柄を取り入れている投資信託を購入したいと考えているとのことでした。

具体的な提案内容

他社の担当者に少しだけ不満を持っていたので、株式移管もしてもらうことを狙いました。

そのためには口座開設→まくり返し→移管という流れを作ろうとしたようです。

私「私の会社でも口座を開設しませんか、私が担当になりますので投資について教えてください。私からも最新の情報を提供します。口座を開設していただければ毎日訪問することも可能になります。」

顧客「わかった。とりあえず口座は開設しよう」

私 「ありがとうございます。」

顧客「ちゃんと最新の情報を提供してくださいね」

私 「もちろんです。毎日訪問して30分前後で情報提供いたします」

顧客「そのためにはしっかり勉強しないといけないね」

私 「はい。お客様の資産運用に寄り添うために毎日勉強して知識をつけます」

その提案が成功した・成果を得た理由

その後、口座開設をしていただき、毎日情報提供を行いましたが 口座開設をしていただいた男性からは取引をしてもらえませんでした。

口座開設の半年後、体調不良のためお亡くなりになりました。

その後、相続で娘様が口座開設をしてくださった際に

顧客「亡くなったお父さんが、あなたの話を楽しそうに話していました。新卒の証券マンで、勉強熱心で毎日訪問してきてくれる。ただまだ若いから大きな金額を預けるには早いから、もう少し私の知識を教えてそれから今取引している他社から移管させようかなと。」

私「そうだったんですね。毎日勉強させていただきました。ありがとうございました。」

相続で引き継いだ他社の株式とその口座にあった残高全て、あなたの会社の口座に移管します。といっていただき移管をしてもらいました。

その際に残高の2000万円で亡くなったお客様が望んでいた投資信託を買わないか提案してOKをもらいました。

これらが成功した理由としては、他社の営業マンは取引を目的に動いており 顧客意向を最大限に優先させていなかったこと。

それに対して、私は取引というより顧客の資産を運用するという意識をもって勉強して情報提供をしたり、世間話をして距離を縮めたりしたことが信頼を勝ち取れた理由だと分析しました。

この案件から得た学びや感想

ここからの学びとして、お客様のお金をこちらが責任を持って運用するという意識を持つことの大切さです。

ただ取引をしてくれる客だと思わず、顧客の求めていること、世間話を聞いて安心感を与えることが大切だと感じました。

BtoCでもっとも大切なことは顧客との距離感だと思いますので、 顧客の意見を最大限に尊重しつつ、自分の意見もそこに合わせていくことが 大きな金額を受注できるコツだと思います。

まとめ

顧客に文字道理死ぬまで訪問し続けて、得た素晴らしい事案だと思います。

知識や自頭の良さよりもお客様は自分を優先してくれているのかなど担当者としての人間性の部分を最も重視します。

超富裕層の方は特に手数料の額ではなく、自分が受けるサービスの質を求めて担当者を選ぶと言います。