意見

できる営業マンの意外な共通点

目次

本で語られていることは当たり前すぎる。

私は銀行で営業職をしているので投資信託や保険などを販売しています。まだ若手と言われる年代で少しでも成績がよくなるように苦心しているところです。 何冊か営業の本を読み漁った経験がありますが、本で語られていることは営業職にとって今まで明文化されていなかっただけで当たり前のように実践され、教えられてきた内容であると感じました。大概の本で書いてあることをまとめると、

  • 商品や市場に対して、豊富な理解がある
  • 量を追求することで質が生まれる
  • ターゲッティングの質を高める
  • 顧客管理を効率化する
  • 営業は確率論である
  • 質問力を高める
  • 仮説思考
  • 人間性
  • 運 etc….

このようなことは確かにとても重要です。しかし営業職の方は上司や先輩にこんなことを言われた経験があるのでしょうか?

  • 「この商品の説明してみて?今日の日経新聞読んだ?なんでできないの?勉強しなきゃダメじゃん。」
  • 「若いうちは打席に立つ回数の方が大事だぞ。数こなせ数。」
  • 「このお客さんはどんな属性なの?なんでこのお客さんにアプローチしてるの?」
  • 「前商談したお客さんって結局どうなったの?アプローチしてる?」
  • 「契約まで行かなくても気にするな。お客さんは他にもたくさんいるぞ。」
  • 「お客さんにどんな聞き方してる?その質問の意図は何?」
  • 「お客さんにアプローチする前にお客さんの課題を考えてからはじめよう。」
  • 「お客さんには誠実に向き合え。人として当たり前のことをしろ。」
  • 「実力じゃない運だ。」etc

これらの質問はさきほど書いた営業本が問題提起していることとほとんど一致しているのではないでしょうか。これらの質問は私が実際に先輩や上司にされた内容です。先輩方は自信の経験からこれらの質問を通して営業本に書いてあるような内容を私に考えさせて成長を促してくれたのだと思っています。先輩に言われた内容を自分自身で実践・思考錯誤している時期に営業本を手に取ってみると書かれた内容と先輩方のいっていることはまったく一致していることに気が付きました。

この経験から すべてとはもちろん言いませんが 営業本に書いてあることの多くは先輩方が実践したことを明文化しただけのものであると感じています。営業本に書いてあることを実践するのは最低限であると思うのは営業職の方であれば当然のことだと感じたはずです。

共通点はオタクであること

当たり前をこなしたうえでより成績が良い先輩方には特徴があると最近発見しました。それは何らかの「オタク」であるということです。

???

と思った方もいるでしょう。説明します。

私の支店には全国でもトップの成績を収めている先輩がいます。

ワインソムリエの資格を持った保険提案のプロフェッショナルSさんです。例として私が懇願して同席させていただいたときのことをお話しします。

まずお客様のところに行き、どんな質問やセールトークをするのかと楽しみにしていました。アイスブレイクの雑談が始まったと思うと、Sさんはワインの話を始めました。そろそろワインの話が終わるかなと思ってもずっとワインの話をしています。ワインワインワイン……。

全く営業の話をせずにワインの話で商談のほとんどが終わりました。割合にするとワイン8割商談2割といったところでしょうか。しかし保険が決まります。

なぜ?

このときは魔法でも使ったのか?と思いました。

たまたま今回はワインの話が多かったのか疑問に思い先輩に質問すると、

「いや僕は大体こんな感じだよ。」

とのこと。謎が深まるばかりでした。

家に帰り、商談内容を紙に書いて客観視してみることにしました。まず気が付いたのはワインの話の部分ではなくて、残りの2割の商談部分の異常な短さです。異様なまでにスムースに商談が進んでいたのです。この理由はなぜ?と考えている中で、顧客視点で考えると納得がいったことがあります。

まずワインの話をされているとき、お客さんは詳しすぎるSさんのワインの話にかなり引き込まれていました。このときおそらくお客さんの心の内ではよりSさんの話が聞きたいという気持ちになっていたのではないかと思われます。

その後のお客さんとの商談の部分では適切な仮説と質問を投げかけ、商品を流れるように説明し、スムースに手続きを進めていました。この仮説と質問の部分が通常一番多くの時間を割く部分であるのですが、ここでワインの話でお客さんのこころがかなり開いていたためにお客様自身も気が付かないうちに自分のことを開示してくれていたのだと思いました。

他の成績のよい先輩方に話を聞いてみるとやはりアイスブレイクの時間を多く取っており、話す内容は大体同じで自分の詳しいことや好きなことをうまく使っているようでした。ある特定の国について語る人もいれば、一人農業に関して語りひともいました。

なにかにこだわって、熱量をもって話せる人というのは人間としても魅力的です。そんな人が商談をスマートにまとめているとお客様目線にも買いたいとおもってしまうのでしょう。

WEBマーケティングの視点から考えてもオタク営業マンは理に適っている?

何かに詳しくわかりやすく、熱量をもって語っている人をオタクという表現をしましたが、WEBマーケティングの世界ではこのような人はインフルエンサーと置き換えてみても同じような条件が当てはまると思います。彼らも何らかの専門性をもって発信していますよね?インフルエンサーが専門ではない商品のことを「この商品おすすめだよ。」と発信するだけで興味は持たれる可能性は高く、購入に至ることもあります。

この状態は先ほどのSさんの例とも通じるところがあるのではないでしょうか。専門性を熱く語れる魅力が成約率に大きく寄与しているのだと考えられるのです。

結論

営業をより深く極めようとするならば普段の仕事の中で営業本に載っているようなことを当たり前のように愚直に実践していくことも必要です。しかしながらその一歩先に行こうと思ったときに何か誇れる一芸や知識などが必要です。その知識や一芸は営業だけでなく、人生を充実したものにしてくれることでしょう。

趣味なんかないよという方もいるかと思いますが、私も探している途中です。興味の赴くままにブログや英語やプログラミング、料理など夢中になれるものを探して様々な経験を積むことを意識しています。ともにオタク営業マン、もといインフルエンサー営業マンになってトップセールを目指していきましょう!